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博士にまつわる話題

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 こんにちは,いつも「記憶の再生について考えるブログ」をご覧頂きありがとうございます.こちらの別版サイトでは,少し過激な内容も発言していますので,お楽しみください.  今回は,最近文科省からのニュースもありましたが,博士についての話題を取り上げます.  皆さんは「博士」についてどのような認識をお持ちですか.  何でも知っている人,専門家,学士⇒修士の次の学位,大学の先生,ドクター等々色々な認識をお持ちです.  この博士について,文科省はR6.3.26にある情報を発出しました.ご存知ですか.  それは,簡単に言えば「博士を増やす」計画を明らかにしたということです.  ということは,日本は博士の数が少ないということと直感的に感じますが,諸外国と比較するとその通りということになります.  この話題は,8か月前の文科省科学技術・学術政策研究所が出した「科学技術指標2021」に掲載されたあるグラフが問題になったのです.  それが次のグラフです.  このグラフは,主要国100万人当たりの博士号取得者数の推移です.これを見ると,G7のうちの5か国(日本,米国,ドイツ,フランス,英国)とG20のなかの2か国(中国,韓国)だけの比較ですが,日本の人口は,中国(14億人),米国(3.3億人)に次いで第3位です.  しかしながら,人口100万人当たりの博士号取得者数は,6位と低迷しています.2018年度では,120~130人程度ですね.しかも次のグラフを見ると減少傾向にあることが指摘されています.  これを見ると日本だけが,2008年から2018年までの10年間で取得者が減少しているのがよく分かります.  これらのことが,日本を「低学歴国」と言わしめた理由です.  このようなことから,令和6年3月26日に文部科学省から「博士人材活用プラン~博士を取ろう~」の取りまとめが発表されました.  これによると文科省は,「博士」について『博士人材は,深い専門知識と,課題発見・解決能力などの汎用的能力に基づき,新たな知を創造し,活用することで,社会の変革,学術の発展,国際的ネットワークの構築を主導し, 社会全体の成長・発展をけん引することができる重要な存在である.』と定義しました.    私は感じてきたのですが,日本において「博士」の学位にはほとんどの人が特別の意味を持っていません.一方,肩書や出身

世界各国からのアクセスとダウンロード・・・・どんな国なの?

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 私の博論については,現在のところ放送大学リポジトリの直近1年間の集計で, 11週連続でアクセス1位,ダウンロードは5位まで上昇してきました .  ちょっと興味があったので,どの国からのアクセスとダウンロードなのかを調べてみました.  まず, アクセス数 ですが,次のようになっています.(2024年2月6日現在)    これを見ると34か国からアクセスがあっています.どこからのアクセスが多いのか・・・・,日本は当然として・・・・, 次がアメリカ ですな.次にロシアや中国ですね.  しかし,日本を除けば異常にアメリカが多いですね.このアクセス増も,2023年の8月頃からです.各国からのアクセスのカウントは,私の博文の場合は2018年6月から始まっています.  でも,この集計は「直近1年間限定です」となっていますが,次をご覧ください.    1位の私が3101で,2位「キャリア転職・・・・」が1552,3位「わが国の死刑制度・・・」が8873となっています.  おかしいですね.  実は,この数字,リポジトリに登録されてからのアクセス総数となっています.  それで実際はどうなんだというと,1位と2位だけの1年間の集計(2023.2-2024.1)を月別にまとめると,次のようになります.  2位「キャリア転機を経験した中高年における働く意欲とスピリチュアリティに対する志向性について」  2023.2(107) ,2023.3(125),2023.4(102),2023.5(97),2023.6(67),2023.7(109),2023.8(98),2023.9(68),2023.10(37),2023.11(41),2023.12(39),2024.1(40) ⇒ 計930アクセス  1位「小学校理科教育における指導方略の研究-意味ネットワーク・モデルとその発展型を用いた知識構成-」,これが私の博論です.  2023.2(10) ,2023.3(14),2023.4(10),2023.5(16),2023.6(8),2023.7(19),2023.8( 200 ),2023.9( 293 ),2023.10( 190 ),2023.11( 170 ),2023.12( 125 ),2024.1( 197 ) ⇒ 計 1252 アクセス  なんと昨年の8月から爆上がりで,今も

言いたい放題(R6.1.26)

  1 アメリカの研究者に読まれる意味  直近1年間の集計で公開している放送大学リポジトリにおいて,拙者の博論が「最も閲覧されたアイテム」で8週間連続1位です.  でも本当は閲覧だけではダメで,このような論文ではダウンロードこそ重要です.拙者の博論のダウンロードは,現在6位.8週前は9位だったので,これも順調に伸びています.  昨年の7月が17回,8月が30回,9月が101回,10月が91回,11月が84回,12月が64回と9月をピークに減少していたのですが,今年になって今日(1月26日)現在で152回とまた増加に転じました.特にアメリカからのダウンロードが1月だけで100ダウンロードで,確実に増えています.  放送大学の岩永雅也学長は,博士後期課程のときの主任指導教員ですので,特にアメリカからのダウンロードの急増を喜んでくれています.放送大学の博論は,pdf形式で文章をコピーできないように保護されていますが,そのパスワードは私も知りません.  しかし,iPhoneの写メではコピーできます(OCR機能)ので,それをPC等にペーストして翻訳しているものと思われます.その結果,ダウンロードが増えているのだと推測します.また,このブログも世界各国からアクセスされていますので,これも読まれるはずです.  ただし,閲覧数やダウンロード数だけでは論文の評価にはなり得ません.やはり一番の評価は引用でしょう.ただ,引用されるためには,とりあえずダウンロードされて読まれることは必要かも知れません. 2 大河ドラマを観る意味  ここ数年,NHKの大河ドラマを見続けています.見るようになったのは,2020年の「麒麟がくる」でしたし,次の「青天を衝け」は観ませんでしたが,2022年の「鎌倉殿の13人」,2023年の「どうする家康」は観ています.そして今年2024年の「光る君へ」も観ています.麒麟から家康までは,とても楽しんで観ることができました.視聴者の評価は色々ありますが,観る人が満足できればそれでよいと思います.こうやって大河ドラマを観ていると,時々,「えっ!」と思うようなセリフがあります.  「麒麟がくる」の中で,斎藤道三が明智光秀に対してこう言います.   「人の上に立つ者は正直でなくてはならぬ.偽りを申す者は必ず人を欺く.そして国を欺く.決して国は穏やかにならぬ」  この「麒麟が

アクセスランキング1位

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 放送大学リポジトリにおいて,拙者の博論のアクセス数が,直近1年間でトップになっています.また,ダウンロード数は直近1年間で9位です.  多くアクセスして頂き嬉しいのですが,なぜこうなっているかの疑問はまだ消えません.  博論なので読み易いとは言いませんが,現場の先生方にはぜひ目を通して頂きたい内容も含まれています.特に,記憶再生マップに至る過程については,詳細に説明しています.なぜ今,記憶再生マップなのかについては,お読みいただくとお分かりになると思います.  私は,現場の先生に学位を取ってもらいたいと思っています.実践研究ができるのは現場の先生だけです.私はできるだけ協力させていただきたいと思っています.

博士論文のアクセスがなぜ増えたか?

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  ここ数か月で小生の博論へのアクセスが増えたことを以前のブログで書きました.  10月3日の段階で,放大のリポジトリだけの集計で ダウンロード数が2200を超え,参照数は2400超えでしたが,本日(10月23日)は, ダウンロード数が2390,参照数は2524となりました.せっかく論文を書いたのですから,多くの人々に読んでもらったり,ダウンロードしてもらったりするのは嬉しいことです.  ランキングは,直近1年間でランク付けられます.これは,放大全ての論文のランキングとなり,ここに挙げているものでは,2は小生博論で,4も3期生の博論です.  7~10月までの閲覧ランキングの推移は,    となっています.5年も前の博論がどうしてこうなったのか?  しかも,特にアメリカからのダウンロードが増えています.  これが,7月ですが,8~10月を追加すると,4→12→77→52(10/22現在) とダウンロードされているのが分かります.  このことについて,小生の博論の主研究指導教員であった現岩永学長にもお尋ねしましたが,原因不明という事でした.ただ,英語のタイトルが興味を持たれている可能性もあるという返答も頂きました. A study of teaching strategies in elementary school science education - Knowledge structure by development type of semantic network model  この  Knowledge structure  つまり知識構造,さらに言えば児童が描いた記憶再生マップそのものが,その時点でのその児童の知識構造の可視化された姿であるという文脈に興味を持ったという事でしょうか.  最近の話題で言えば,上越教育大学での研究に,この記憶再生マップが使われ,効果を挙げていることを知りました.  私は何よりも,現場の先生方に早く気づいてもらいたいという思いがあります.

英語教育に対する教職の先輩先生の投稿です

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 学力低下の報道に物申したい人は多いと思います. 私は,その件で9月1日に佐賀新聞に投稿したのですが,その前日(8月31日)にも実は成績不振に関する記事が掲載されています.それは,英語教育に関する記事で,電子版の契約をされている方は,下のリンクを辿ってご確認ください. 全国学力テストで全国平均下回った英語 佐賀県内の教育長、充実策巡り意見交換 | 行政・社会 | 佐賀新聞ニュース | 佐賀新聞 (saga-s.co.jp) その内容は,「 県内の平均正答率は39%と全国(45・6%)を下回り、全国43位の低さだった 。昨年度に実施された英語教育実施状況調査でも 全国平均や県の目標に届かなった 。」というものでした. この記事に対するお考えを 教職の先輩 が投稿されています.ただ, ご迷惑がかかるといけませんので,名前は伏せさせて頂きます. A先生は,元啓成中校長で英語の教員でした.             佐賀新聞 朝刊 9月24日(日) 私の主張より A先生も,英語の成績不振を憂いて,投稿されたと思いますし,これまでの指導法を根本的に見直すことを主張されています. 皆さんはどのようにお考えになりますか.

ボツになっていなかった.本日(10月7日)の佐賀新聞に掲載されました.

 先輩の投稿の後に,私の投稿が掲載されました.佐賀新聞さん,ボツにしたと早合点してすみませんでした. 佐賀新聞に投稿した原文はこれです. -------------------------------------<ここから>-------------------------------- 学力向上対策に思う.  古川美樹(65歳) 昨年度で38年間務めた学校現場を退職した. 教職生活は,40年ほど前の高等学校の物理講師から始まり,正式に県に採用されてからは,小学校と中学校の主に理科教育を専門として,担任や級外,教務主任などを経験した. 先日の新聞タイトル『「主体的な学び身に付く工夫を」 佐賀県,学力向上対策で委員会』は,4月の全国学力・学習状況調査結果に関する内容である. 記事は,結果の検証を委員会で行い,「子どもが主体的に学び,家庭と連携しながら家庭学習を充実させるよう助言」とあった. しかし,ちょっと変である.いったい主体的に学ぶ場所は何処であろうか.また,これは,誰に対しての助言なのか.この文脈ならば,家庭学習に対して助言したと捉えられてしまう.しかしながら,調査の結果は,学校教育の結果に対してのものであり,この委員会の正式名称は,「県学力向上対策検証・改善委員会」と称され,主として県内の小中学校における教育指導の成果を検証し,その結果によっては指導法等々の改善を助言するものである. 考えてみれば,ここ数年の委員会の助言内容は,家庭学習に対して行われていたと記憶する. しかし考えてもらいたい.そもそも,学力は学校で身に付けさせるべきものであり,学校教育がどのように行われてきたかの調査結果であろう.今回のような助言は,学力の外部決定論に基づいたものである.つまり,家庭学習の良し悪しが少なからず児童・生徒の学力に影響すると聞こえてならない.しかし,長い教員生活を振り返れば,様々な家庭環境とともに,日々の生活を送ることで精一杯のご家庭もあった.親御さんの勤務態様も様々であった.必ずしも家庭学習の重要性を批判するわけではないが,今回のような助言は様々な環境の家庭に対して,一様に届くのだろうかと考えてしまう. やはり,学力は内部決定論の中で,つまり学校での教育について議論すべきではないだろうか.上手くいかなかったのなら,これまでの授業でやってきたことを見直す