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10月, 2023の投稿を表示しています

博士論文のアクセスがなぜ増えたか?

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  ここ数か月で小生の博論へのアクセスが増えたことを以前のブログで書きました.  10月3日の段階で,放大のリポジトリだけの集計で ダウンロード数が2200を超え,参照数は2400超えでしたが,本日(10月23日)は, ダウンロード数が2390,参照数は2524となりました.せっかく論文を書いたのですから,多くの人々に読んでもらったり,ダウンロードしてもらったりするのは嬉しいことです.  ランキングは,直近1年間でランク付けられます.これは,放大全ての論文のランキングとなり,ここに挙げているものでは,2は小生博論で,4も3期生の博論です.  7~10月までの閲覧ランキングの推移は,    となっています.5年も前の博論がどうしてこうなったのか?  しかも,特にアメリカからのダウンロードが増えています.  これが,7月ですが,8~10月を追加すると,4→12→77→52(10/22現在) とダウンロードされているのが分かります.  このことについて,小生の博論の主研究指導教員であった現岩永学長にもお尋ねしましたが,原因不明という事でした.ただ,英語のタイトルが興味を持たれている可能性もあるという返答も頂きました. A study of teaching strategies in elementary school science education - Knowledge structure by development type of semantic network model  この  Knowledge structure  つまり知識構造,さらに言えば児童が描いた記憶再生マップそのものが,その時点でのその児童の知識構造の可視化された姿であるという文脈に興味を持ったという事でしょうか.  最近の話題で言えば,上越教育大学での研究に,この記憶再生マップが使われ,効果を挙げていることを知りました.  私は何よりも,現場の先生方に早く気づいてもらいたいという思いがあります.

英語教育に対する教職の先輩先生の投稿です

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 学力低下の報道に物申したい人は多いと思います. 私は,その件で9月1日に佐賀新聞に投稿したのですが,その前日(8月31日)にも実は成績不振に関する記事が掲載されています.それは,英語教育に関する記事で,電子版の契約をされている方は,下のリンクを辿ってご確認ください. 全国学力テストで全国平均下回った英語 佐賀県内の教育長、充実策巡り意見交換 | 行政・社会 | 佐賀新聞ニュース | 佐賀新聞 (saga-s.co.jp) その内容は,「 県内の平均正答率は39%と全国(45・6%)を下回り、全国43位の低さだった 。昨年度に実施された英語教育実施状況調査でも 全国平均や県の目標に届かなった 。」というものでした. この記事に対するお考えを 教職の先輩 が投稿されています.ただ, ご迷惑がかかるといけませんので,名前は伏せさせて頂きます. A先生は,元啓成中校長で英語の教員でした.             佐賀新聞 朝刊 9月24日(日) 私の主張より A先生も,英語の成績不振を憂いて,投稿されたと思いますし,これまでの指導法を根本的に見直すことを主張されています. 皆さんはどのようにお考えになりますか.

ボツになっていなかった.本日(10月7日)の佐賀新聞に掲載されました.

 先輩の投稿の後に,私の投稿が掲載されました.佐賀新聞さん,ボツにしたと早合点してすみませんでした. 佐賀新聞に投稿した原文はこれです. -------------------------------------<ここから>-------------------------------- 学力向上対策に思う.  古川美樹(65歳) 昨年度で38年間務めた学校現場を退職した. 教職生活は,40年ほど前の高等学校の物理講師から始まり,正式に県に採用されてからは,小学校と中学校の主に理科教育を専門として,担任や級外,教務主任などを経験した. 先日の新聞タイトル『「主体的な学び身に付く工夫を」 佐賀県,学力向上対策で委員会』は,4月の全国学力・学習状況調査結果に関する内容である. 記事は,結果の検証を委員会で行い,「子どもが主体的に学び,家庭と連携しながら家庭学習を充実させるよう助言」とあった. しかし,ちょっと変である.いったい主体的に学ぶ場所は何処であろうか.また,これは,誰に対しての助言なのか.この文脈ならば,家庭学習に対して助言したと捉えられてしまう.しかしながら,調査の結果は,学校教育の結果に対してのものであり,この委員会の正式名称は,「県学力向上対策検証・改善委員会」と称され,主として県内の小中学校における教育指導の成果を検証し,その結果によっては指導法等々の改善を助言するものである. 考えてみれば,ここ数年の委員会の助言内容は,家庭学習に対して行われていたと記憶する. しかし考えてもらいたい.そもそも,学力は学校で身に付けさせるべきものであり,学校教育がどのように行われてきたかの調査結果であろう.今回のような助言は,学力の外部決定論に基づいたものである.つまり,家庭学習の良し悪しが少なからず児童・生徒の学力に影響すると聞こえてならない.しかし,長い教員生活を振り返れば,様々な家庭環境とともに,日々の生活を送ることで精一杯のご家庭もあった.親御さんの勤務態様も様々であった.必ずしも家庭学習の重要性を批判するわけではないが,今回のような助言は様々な環境の家庭に対して,一様に届くのだろうかと考えてしまう. やはり,学力は内部決定論の中で,つまり学校での教育について議論すべきではないだろうか.上手くいかなかったのなら,これまでの授業でやってきたことを見直す

佐賀新聞に掲載された佐賀県学力向上対策・改善委員会の記事に物申す

 いつも地元紙の佐賀新聞を購読しています. 次は,佐賀県学力向上対策・改善委員会の5年分の記事の内容をまとめたものです. 結果が良くなかった学年と教科などに注目してください. 佐賀県学力向上対策・改善委員会の話し合い結果について,何か言いたい事はありませんか.私はあります. なお,各記事のリンクは,佐賀新聞電子版でご覧いただけます. 2019年度 中島秀明委員長 https://www.saga-s.co.jp/articles/-/418535 <タイトル>  概要読み取る能力に課題 全国学力テスト結果で <結果>   中3国語・数学・英語,小6算数で全国平均を下回る. <提言や意見>  委員の一人「毎日の授業の積み上げが結果につながっている.学校全体の責任という認識を持たなければならない」別の委員「家庭学習の習慣化や宿題の中身を工夫すべき」 【感想】各学校は教委の指導の下,学習活動を行っているので,この委員の言う事は,そのままブーメランのように教委に向かっていますね.学校の責任と言う考えは,止めた方がよいです. 分からなければ,どのように指導しているかを整理して,指導した内容の誤りを修正すべき でしょう.また,別の委員さんの家庭学習に目を向けるのは,最後の手段です. 2020年度 松尾敏実委員長 https://www.saga-s.co.jp/articles/-/629833 <タイトル>  小中学生の学力課題検証 佐賀県学力向上委員会 学習状況調査ふまえ <結果>   最低限上回ることを県教育委員会が求めていた到達基準に関しては,18教化中15教科で上回った. (到達基準については不明)  小4国語,中2社会・理科で未到達. <提言や意見>  委員から「教え込むより,考えさせることをベースにした授業にシフトしている」 別の委員「乳幼児期からの読み聞かせも大切」 【感想】委員の言うような教え込みによる指導は,ずいぶん減ってきました.今は,考えることを主とした学習行動を行わせています.別の委員の乳幼児期からの話は,保育園や幼稚園,家庭向けにアナウンスして下さい. 2021年度  松尾敏実委員長 https://www.saga-s.co.jp/articles/-/750501 <タ

学位論文の見え方~放送大学リポジトリと他大学のそれ~

 最近,大学のリポジトリが見やすくなりました. 多くの大学で同様のシステムが利用されつつあるので,検索し易さがあります. それで思ったのですが,放送大学のリポジトリでは,博士論文が最上位の層にあるので,OPEN度合いが他大学と比べ物になりません. 例えば東大は,各研究科や学部の層が一層下にあり,ここに下って初めて 教育学研究科・教育学部の博士論文が見えてきます. しかし,もっともっと深いところに博士論文が置かれている大学も少なくありません. 放送大学は,1つの学部しかないし,学生が書いた論文の公開はありません. 修士論文も,オープン・フォーラムという修士論文集に優秀な一部の学生の論文が掲載されているだけです. それでも,ネットで公開はしていません. しかし,博士後期課程は違います. 放送大学の博士論文は,リポジトリの最上層にありますので,検索の多さが他の大学の博士論文に比べて尋常ではありません. もともと,放送大学の博士後期課程は,入試前の指導教官とのやり取りが禁止されていますし,倍率も僕の時(二期生)で約10倍はありましたので話題になりました. だからか知りませんが,博士論文へのアクセス数,ダウンロード数が他大学と比較しても圧倒的に多いです.つまり,晒され度が半端ありません. 僕の博論は,現在でダウンロード数が2200を超え,参照数は2400超えです.しかも,全世界から見られて,ダウンロードされています.もちろん,日本からのアクセスやダウンロードが多いですが,8月や9月はアメリカからのアクセスが異常に多かったです. そこで,今は博士論文を英訳しているところです. 日本語なんて読めないでしょうし.(^^;)